こんにちは、社長のためのAI戦略です。
「AIを導入したいけれど、何から手をつけていいか分からない」——そう感じたことはありませんか。今回は、日々多くの経営者からAI導入の相談を受けている澤居さんに、実際の相談現場でよく聞かれる悩みと、そこから見えてくる「AIエージェント格差」の正体について伺いました。結論を先に言うと、鍵になるのは大きな改革ではなく、小さな実験を積み重ねる姿勢にあります。
目次
- 1. 社長からの相談で一番多いのは「何から手をつけるか分からない」
- 2. 陳腐化のスピードに勝てるか、が最初の分かれ目
- 3. AI導入が進む企業に共通する社風
- 4. 大きく変えようとせず、小さな実験を積み重ねる
- まとめ💡
1社長からの相談で一番多いのは「何から手をつけるか分からない」

澤居さんのもとに寄せられる相談で最も多いのは、「自社の事業をどうAIに展開していいか分からない」というものだといいます。しかも、AIにまったく興味がない経営者ではなく、すでに何かしら試みたことがある経営者からも同じ相談が寄せられるのが実情です。

ホスト
「あの質問の意味すら分からないぐらいの勢いで質問してくるっていうことですよね」

澤居さん
「そうですね。会社経営していて全然AIに触れてきてないっていう人ってあまりいらっしゃらないと思っていて。なんか色々やったけどでもなんかうまくいかなかったみたいなこととか、やりたいことは一応見えているんだけど実現する方法がわからないとか、本当に整理できていないみたいな状況からスタートしていて」
過去にどこで失敗したのか、それは人の問題だったのか、運用の問題だったのか、製品の問題だったのか——澤居さんはまずそこから現状を整理するところから支援を始めるそうです。AIに興味がない経営者はそもそも相談自体をしないため、相談に来る時点で意欲は十分にある。それでも迷ってしまうのは、AIという技術そのものの見方に、最初のボタンの掛け違いがあるからだといいます。
2陳腐化のスピードに勝てるか、が最初の分かれ目

AIに対する誤解の一つが、「一度導入すればそれで完成」という思い込みです。澤居さんは、これがつまずきの大きな原因だと指摘します。

澤居さん
「2025年初頭とか2024年の議論で導入したソリューションと、今最新のソリューションできることってやっぱ全然違いまして、そこがうまくアップデートされていなければやっぱ陳腐化しちゃってるんですよね」
最新モデルを使い続け、自社の事業にどう活かすかを自分なりにアップデートし続ける能力が必要とされているのではないかと澤居さんは語ります。これは経営者本人がすべて背負う必要はなく、社員に任せる、あるいは外部パートナーに一部をアウトソースする形でも構いません。重要なのは、チャレンジし続けるための体制を社内に作ることです。
新しいことに挑戦するコスト自体は、AIに関しては今非常に低くなっています。だからこそ、情報のキャッチアップを止めてしまうことが、そのまま競争力の低下に直結してしまうのです。
3AI導入が進む企業に共通する社風

では、実際にAI活用がうまく進んでいる企業には、どんな共通点があるのでしょうか。

ホスト
「AIを入れて進んでいるような企業さんっていうのは、どういった形で企業風土ができているのかっていうのお感じです?」

澤居さん
「私がよく喋るその企業家の中では、やっぱりその社長がAIに明るいなっていう社長の会社はやっぱ進んでる気はしますね」
さらに興味深いのは、社長がAIに詳しいだけでは十分ではないという点です。澤居さんの会社でも、入社したばかりの新人がAIに強い関心を持ち、自らチャレンジを重ねた結果、組織の中心的な役割を担うようになった例があるといいます。

澤居さん
「本当に今までの能力とか分け隔てなく、ちゃんとAIについていける人材を見極めて、自分の近くに置いて事業運営していくっていう状況を作るべきなんじゃないかなと」
これは、従来のピラミッド型の組織運営とは異なる発想です。社長が方針を決めて上から下ろすのではなく、社員それぞれが持つ知見をAIというツールを通じて拾い上げ、組織全体で改善していくという横軸の経営スタイルへの転換が求められています。
最終的にはわからないとしつつも、ホワイトカラーの仕事が急激になくなっていくと予測される社会で、どの会社も例外ではないと澤居さんは指摘しています
4大きく変えようとせず、小さな実験を積み重ねる

では、実際に何から取りかかればよいのでしょうか。澤居さんの答えは明快です。

ホスト
「1番その取りかかりやすいっていうか、どういったところでやったらこうスムーズに取りかかりに入れたとかいったところはありますか?」

澤居さん
「大きなものを最初から作ろうとか解決しようとせずに、小さい実験を繰り返し、いろんな実験をしていただいて、成功事例を小さくても積み重ねていただくっていうことが1番大事な気がしますね」
地味に感じられるかもしれませんが、これはAI導入における本質的な原則です。社内で小さな成功事例が一つできれば、それを見た他の従業員も「これが成功事例なんだ」と実感し、自ら挑戦する文化が醸成されていきます。
実際、澤居さんの会社でも、自分たちで作った内部的なソリューションが「これは外に出せるのでは」という発想につながり、そのまま事業になった例があるといいます。社内の業務改善から始まった小さな取り組みが、そのまま新規事業の種になるというのは、AI活用ならではの特徴です。
一方で、SaaSのように外から「これがすごいんです」と持ち込まれたソリューションに頼るだけでは、この流れには乗れないとも澤居さんは付け加えます。もちろんSaaS自体がなくなるわけではありませんが、自社から業務改善を積み上げていく姿勢がなければ、AI活用の恩恵を十分に受け取れないというのが澤居さんの見立てです。
💡まとめ
- AI導入の相談で最も多いのは「何から手をつけていいか分からない」という状態。興味がないわけではなく、整理ができていないだけのケースが大半
- 最新のAIソリューションは急速に進化するため、アップデートを止めると陳腐化し、競争力を落としかねない
- AI導入が進む企業は、社長自身がAIに明るいだけでなく、能力や経歴に関係なくAIに強い人材を組織の中心に据えている
- 大きな変革を目指すのではなく、小さな実験を繰り返し、成功事例を積み重ねることが最も確実な進め方
- 社内の小さな業務改善が、そのまま新規事業の種になることもある
本記事の内容はこちらのYouTube動画でお話ししています。
AI導入でつまずきやすいポイントと、そこから抜け出すための考え方を、澤居さんとの対話形式で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。