こんにちは、社長のためのAI戦略です。

「ChatGPTを導入したのに、社員が全然使ってくれない」——そんな悩みを抱えていませんか?

今回は、AIを社員に使わせる前に、社長自身がまずやっておくべき3つのことについて、澤居さんに伺いました。結論から言うと、AI導入は「入れること」がゴールではなく「動かすこと」がゴールです。そのために社長が事前に整えておくべき準備を、順を追って見ていきます。

1社長自身が最新の有料モデルを使う

0:57頃/最新モデルを自腹で使うことの重要性を語るシーン

AIを社員に導入させる前に、社長がまずやるべきことは何か。澤居さんの答えはシンプルでした。

澤居さん

澤居さん

「これはあの社長が一番やりやすいんですけど、自分でお金払って最新モデルを使う。これが一番簡単で一番やった方がいいです」

ホスト

ホスト

「その最新モデルというのは、どの程度のどういうものをやればいいんですか?」

澤居さん

澤居さん

「GoogleやOpenAI、アンソロピックが出しているフラグシップモデルですね。例えばアンソロピックだと今はプロかマックスくらい。クロードコードが使えるモデルで、無料版だと使えなかったと思います」

金額感としては、クロードコードで月100〜200ドル程度。「別にそれを躊躇なく払っていただいて、自分で試してみていただきたい」と澤居さんは言います。ずっと契約し続ける必要はなく、1ヶ月だけ試して使ってみる、という感覚で十分とのことです。

使い方については、「今日めんどくさいと思っている業務をやらせてみる」「今日のニュースについて対話しながら、どこまで頭がいいのか確かめてみる」など、まずは現在地を把握することが目的です。月に1回、土日のどちらかで4〜5時間、あるいは毎日15分でも触ってみることを勧めています。

AIとの対話では、忖度なく意見をもらえたり、新しいビジネスのヒントが得られたりすることもあるようです。孤独になりがちな経営者にとって、忖度なく意見を言ってほしいと頼めば、AIとの対話は思わぬ気づきの源になるようです。

2社員は「使え」と言っても使わない

4:34頃/社員がAIを使ってくれない現実について話すシーン

次に澤居さんが挙げたのは、意外と見落とされがちな現実です。

澤居さん

澤居さん

「社員ってあんまり使ってくんないんですよ、実は。使わせる前にっていう言葉って、なんか用意したら使ってくれるみたいなニュアンスだと思うんですけど、意外と使えって言っても使ってくんないんですよ」

ホスト

ホスト

「AIを使うこと自体が不可になる、めんどくさいことはやりたくないという人間として当たり前のことですよね。AIを使った方がより楽になるとか評価されるとか、そういうインセンティブがないと動かないよ、ということですかね」

澤居さん

澤居さん

「そうです。あとその反対派も、少なからずいると思うんで」

AIによって仕事を奪われるのではないかという恐怖を感じている社員がいることも、想定しておく必要があります。「導入はできるけど動かない」というのは、多くの会社で起こりうる事態です。だからこそ、社長は「どうやったら使ってもらえるか」を事前に考えておく必要があります。

3ハッカソンで社内の空気を変える

6:38頃/ハッカソンの取り組みについて説明するシーン

社員にAIを使ってもらうための具体策として、澤居さんが紹介したのが「ハッカソン」です。

澤居さん

澤居さん

「月に1回、お祭りじゃないですけど、社員全員に使える環境にして、業務のこと忘れて今日1日このAIを使って何でも作っていいテーマがあるんです」

テーマは「事業に資すること」「業務を効率化すること」でもいいし、ノンテーマで自由に作ってもいいとのこと。ポイントは、AI肯定派も反対派も一緒に参加させることです。

澤居さん

澤居さん

「意外と新しい発見が出てくるんですよ。社員から、あ、こんなことできるんだ、という発見もあるし、社員のみんなも、アイデアが形になるんだ、という体験にもなる」

同社では、参加者が作ったものを本人がプレゼンし、みんなで評価・投票する仕組みを取り入れ、上位3位くらいにはAmazonでもらえる何らかのインセンティブを用意しているそうです。AIを使うことが評価される環境をつくることで、新しいアイデアも生まれ、社員全体がAIに触れる機会も自然に増えていきます。

ホスト

ホスト

「実導入の前に、そういう遊び的なものをやってから慣らして導入していく、というのも1つのアイデアだということですよね」

これは、昔からある「目安箱」で社員の意見を集める仕組みの、スピードアップ版とも言えそうです。AIを「業務」ではなく「1つのゲーム、楽しいもの」として認知させることで、導入への抵抗感を減らす効果が期待できます。

4現場に明るい社員を仲間に入れる

9:21頃/社内の協力者を見つける重要性について語るシーン

3つ目のポイントは、少し泥臭い話だと澤居さんは前置きしつつ、こう語りました。

澤居さん

澤居さん

「AIを社員に使わせない状況だとすると、社内で絶対1人は、このままでいいのかと思っている人がいると思うんですよ。ちょ、絶対AI導入、仕事で導入した方がいいと思っている、興味あるやつはいると思ってまして。そいつを仲間に入れる」

このメンバーを見つけることで、「どの業務が今一番問題になっているか」「誰がキーパーソンで、こいつがAIに慣れたら浸透するか」「誰が反対派になりそうか」といった、社内の政治的な状況を把握しやすくなります。

ホスト

ホスト

「これはAIじゃなくても、業務改善や会社の改革に近い時に行う手段ですよね。私の場合、相手の会社の中で一番とんがった人を見つけて、その人を味方につけてヒアリングをします。一番とんがった人間が、変えられる限界値の指標になるんです」

全員がAIに明るいわけではないという前提を忘れてはいけません。AIは万能の神様のように振る舞うものではなく、あくまで人間の組織の中に取り込まれていくものだという認識を、社長自身が強く持っておくことが、導入前の最初の心構えになりそうです。

💡まとめ

  • AI導入の前に、まず社長自身が最新の有料モデル(月100〜200ドル程度)を1ヶ月試してみる
  • 社員は「使え」と言うだけでは動かない。インセンティブと反対派への配慮が必要
  • ハッカソンのような「遊び」の場を作り、AIへの抵抗感を減らしてから本導入する
  • 社内で現場に明るく、AIに興味がある社員を早い段階で仲間に引き入れる
  • AIは万能の存在ではなく、あくまで人間の組織の中に取り込まれていくものという認識を持つ

本記事の内容はこちらのYouTube動画でお話ししています。

社員が動かない本当の理由や、ハッカソンの具体的な運用イメージなど、動画ではさらに詳しくお話ししています。ぜひご覧ください。